GhaSShee


FEM と特許


本文書は、以下の参考文献からの抜粋である - from : http://www.kim-lab.info/classic/kaizen01/h13-5a/5a37c.htm # 緒論 ## 有限要素法について  有限要素法は、1954年に欧米の航空機構造力学の研究者によって提案され、 マトリックス構造解析法(matrix method of structural analysis)という名のもとに、精力的な開発が行われたのに始まる。 折からの宇宙開発競争はこれに拍車をかけ、やがてその主流となった変位法(displacement)の実用化が、 ボーイング社を中心に展開されていったのである。そしてこの手法は間もなく、土木、建築、造船、機械など他の構造工学の分野に導入され、 次に重みつき残差法(method of weighted residual)の開発によって流体力学、熱伝達、電磁気学、反応工学等いわゆる移動現象論( theory of transport phenomena)を解析するための有力な手法として、理工学のあらゆる分野に普及してゆくこととなる。 有限要素法は、数値解析方法の1種であり、構造解析などにおいて、変形に対して無限の自由度を持つ物体を有限の自由度を持つ有限の要素の集合体、 すなわち、微小な部分の集合体として近似し、集合体に対して成立する方程式(連立一次方程式)を解く方法である。 代表的な有限要素としては、 - 三角形要素、 - 三角形平板要素、 - 四角形要素、 - 四角形平板要素、 - 四面体要素、 - 六面体要素、 - 三角形リング要素、 - 四角形リング要素 などが提案されている。 これらの要素は節点(ノード)と呼ばれる点を結合したものとして規定される。ある要素は他の要素とノードにより結合される。力もノードを通して結合されている。 いかに複雑な形状の構造物であっても、これら代表的な有限要素に区分けし、これら有限要素の集合体として表すことができる。 有限要素法を用いて構造解析を行う場合、通常は、前処理を行い、ブラックボックスとして有限要素法を適用して解析し、後処理を行う。 前処理は有限要素法を適用するまえに種々の条件などを決定しておく処理であり、たとえば、構造解析を行う構造物の座標系を決め、計算負荷軽減のため、 できるだけ解析対象の対称性を考慮して解析対象の何分の1かを選びだし、要素に分割し、節点番号を付け、要素番号を付け、拘束条件を考慮し、荷重条件を考慮する。 有限要素法による解析結果は、節点の変位、変位から2次的な量として歪み、応力が計算される。しかし、このような結果が数値として出力されたままでは、分かりにくいし、 分析作業が複雑になる。そこで、後処理において、有限要素法による解析結果の検討を効率的に支援するために変位分布などのグラフィック表示などを行う。 # 利用分野(一般分野) ## 年度別特許出願状況  有限要素法を使用している特許発明について年代別にまとめた。(2月現在) ~~~ 2002年現在まで 16件      平成10年     47件 2001年     56件      平成9年      41件 2000年     56件      平成8年      47件 平成11年    55件      平成7年      37件 ~~~ ## 利用分野について  有限要素法をしようしている特許発明について分類してまとめた。(私的に) ~~~ ただし2001~2002年現在の特許出願傾向である。 自動車  14件     電子機器  8件 機械   14件     熱移動   3件 建築   10件     土木    1件 情報処理  9件     その他  13件 ~~~ ## 特許発明について  有限要素法により、検索した結果ヒット件数455件となり、その内2002年以降の有限要素法を利用した特許発明の参考文献を以下に示す。 ~~~ 1 特開2002-056037 接触解析装置 2 特開2002-055034 ボールの反発特性予測方法 3 特開2002-054157 基礎の水平抵抗算出方法および当該算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 4 特開2002-052096 ゴルフボール物性の解析方法及びゴルフボール製造方法 5 特開2002-048689 防舷材の特性解析方法 6 特開2002-047880 トンネルの切羽周辺部分の変位推定方法および先受部材の決定方法 7 特開2002-045920 プレス成形シミュレーション用計算安定化方法 8 特開2002-041582 有限要素法によるデータ生成方法 9 特開2002-039888 半導体圧力センサのゲージ抵抗の位置設定方法 10特開2002-035986 スポット溶接された構造体の亀裂発生危険部位予測方法 11特開2002-022621 タイヤ性能のシミュレーション方法 12特開2002-022620 タイヤ性能のシミュレーション方法 13特開2002-014021 繊維で強化した樹脂成形品を振動溶着した製品の強度解析方法 14特開2002-014011 タイヤのハイドロプレーニングシミュレーション方法 15特開2002-007489 タイヤ有限要素モデルの作成方法 16特開2002-007488 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体 ~~~ ## 特許出願社及び出願件数(2002年以降)  2001年から2002年現在2月(中半)の特許出願において、出願社と特許件数について出願件数の多い方から10社を示す。 ~~~ 株式会社東芝     6件   株式会社ブリヂストン 3件 キャノン株式会社   6件   株式会社アマダ 3件 住友ゴム工業株式会社 6件   株式会社デンソー 2件 株式会社日立製作所  5件   株式会社ニコン 2件 トヨタ自動車株式会社 4件   三菱重工業株式会社 2件 東洋通信機株式会社  3件   (建築では奥村組・大成建設があった。) ~~~ # 建築分野 建築分野についての特許発明を(2001~2002年現在までについて)以下のよ うに調べた。 ## 特許発明 ~~~ 1 特開2002-054157 基礎の水平抵抗算出方法および当該算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 2 特開2002-041582 有限要素法によるデータ生成方法 3 特開2002-007488 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体 4 特開2001-357082 3次元モデル解析装置 5 特開2001-290847 ひび割れ図の作成方法 6 特開2001-256216 構造物の固有振動数および振動モードを高次要素を用いて有限要素法で求める方法およびシステム 7 特開2001-236377 図化処理装置及び方法 8 特開2001-167073 弾性有限要素法解析ソルバ部分間並列計算方法及び計算機 9 特開2001-134628 骨組構造の最適化設計装置 10特開2001-027994 有限要素法による解析モデルから計算用数値データを生成するデータ生成方法及びデータ生成装置 ~~~ ### 1(特開2002-054157) 本発明特開2002-054157は、建物の荷重を直接基礎および摩擦杭を介して地盤に伝達するパイルド・ラフト基礎における水平抵抗を算出する方法、および当該算出に用いられるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。 #### 従来の技術 建物の基礎を設計する際一般に、地盤の支持力とともに沈下量(特に不同沈下)に関する検討を行なって、それぞれの値が許容値を満足する必要がある。そして、上記不同沈下の発生を抑制する最良の方法は、強固な地層(支持層)に基礎を定着させることであり、支持層が深い場合には、通常杭基礎が採用されている。ところが、臨海部の埋立地のように、支持層がかなり深い場合に杭基礎を採用すると、杭長が極めて長尺となり、全工事費に対する基礎の工事費の割合が非常に大きくなるなど、上部構造に対してバランスのある基礎設計を行なうことができない。そこで、このような問題点を解決する対策の一つとして、直接基礎に摩擦杭を併用させたパイルド・ラフト基礎が提案されている。このパイルド・ラフト基礎は、建物を支承する直接基礎の底面に、下端部が支持層まで到達しない複数本の沈下抑止用の摩擦杭を設けることにより、建物の荷重を直接基礎および摩擦杭を介して地盤に伝達するようにしたものであり、直接基礎で設計した場合に、地盤の支持力は許容値を満足するものの、不同沈下量が問題となるような地盤において、摩擦杭を効果的に配置することにより、直接基礎の抵抗と沈下抑止用の摩擦杭による摩擦抵抗とによって基礎全体の不同沈下量を低減しようとする基礎形式である。 #### 対応策 上記に示したパイルド・ラフト基礎の考え方は、もっぱら沈下量のみを考慮すれば足りる国外において古くから知られているが、複雑な地層構造を有する我が国においては実施に至っていない。加えて、地震に対する考慮を要する我が国においては、パイルド・ラフト基礎の設計に際して、通常の基礎と同様に、常時の荷重支持力および沈下量の問題に加えて、地震発生時における水平抵抗の問題に付いて検討する必要がある。しかし、現状において、パイルド・ラフト基礎の沈下量に対する設計法のみならず、地震時における水平抵抗に対する設計法についても整備されておらず、特に地震時の問題に付いては、未解決の点が多く、国内外ともにほとんど研究例がないことから、その耐震設計法の確立が強く望まれている。そこで、本発明者等は、上記パイルド・ラフト基礎における水平抵抗の設計法について、鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得るに至った。先ず、下図に示すように、パイルド・ラフト基礎は、地震力Fに対して、直接基礎2の底面と地盤5との間の摩擦抵抗F1および摩擦杭4における地盤5の水平抵抗F2と摩擦杭4の水平抵抗が複合して抵抗し、さらに図示する場合のように直接基礎2に根入れがある場合には、これに直接基礎2前面における地盤5の受働抵抗F3と、直接基礎2の側面と地盤5との間の摩擦抵抗F4が加わることになる。そして、本発明者等は、地震時における上記直接基礎2、摩擦杭4および地盤5における挙動等について、原位置実験、遠心模型実験および数値解析などを用いて詳細検討を行なった結果、通常の杭基礎とは異なり、パイルド・ラフト基礎においては、直接基礎2の規模に応じて、当該直接基礎2の底面からある一定の深度の地盤5が、直接基礎2とともに変位することにより、当該範囲の摩擦杭4における地盤5の水平抵抗F2が小さくなることが判明した。そこで、これら直接基礎2および摩擦杭4を、梁要素または板要素あるいは梁要素および板要素でモデル化するとともに、直接基礎2と地盤5との間の摩擦抵抗F1(直接基礎2に根入れがある場合には、摩擦抵抗F1+受働抵抗F3+摩擦抵抗F4)および地盤5の水平抵抗F2を地盤バネでモデル化して、有限要素法により上記パイルド・ラフト基礎の水平抵抗を算出するに際して、直接基礎2の底面における水平加力方向の長さ寸法に応じて、直接基礎2の底面から所定の深度の範囲における摩擦杭4の前面水平地盤抵抗F2を低減して上記パイルド・ラフト基礎の水平抵抗を算出することにより、当該パイルド・ラフト基礎における地震時の水平抵抗を、地盤を固体要素として扱う3次元有限要素法と比較して、モデル化の手間が省け、よって短時間に、かつ高い精度で算出評価することができることが判った。また、摩擦杭4の材質や地盤抵抗要素として、複雑な特性を有するモデルを組みこむことができ、さらには複雑な地盤構成を有する地盤5に対しても、上記水平抵抗を算出することができる。この結果、比較的簡単に、従来困難であったパイルド・ラフト基礎における水平抵抗を算出することができ、これをもとにパイルド・ラフト基礎の設計が可能になることが判った。 #### 本発明 本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、パイルド・ラフト基礎の地震時における水平抵抗を短時間に、かつ高い精度で算出する方法、および当該算出に好適に使用されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とするものである。 ### 3 (特開平10-269265→特開2002-007488) 本発明特開平10-269265は有限要素法を用いて構造物の解析を行う構造解析方法とその装置に関するものであり、 特に、有限要素法を用いた構造物の構造解析を効率よくかつ容易に行う有限要素法による構造解析方法の支援方法と有限要素法による構造解析装置に関するものである。 #### 従来の技術 従来の技術説明するにあたり、例示を示す。例えば、構造物として射出成形に使用する金型を述べると、溶融状態のプラスチックを金型に圧入・冷却してプラスチック射出成形物を製造するとき、金型を使用する。用途に応じて種々の形状、種々の大きさの金型を用いるが、そのような金型を製造する前に金型の構造解析を行う。射出成形物の品質は金型に大きく影響される。金型は高温の溶融状態のプラスチックを受け入れて冷却するまで広い温度範囲にわたって所定の形状を維持する必要があるほか、多数のプラスチック成形品を製造するために長期間の使用に耐える必要がある。したがって、これらの要求を満足する金型を製造することは難しく、重要である。そのため、金型を製造する前に、金型について構造解析を事前に行う。そのような構造解析の手法として有限要素法が知られている。上述した射出成形としては、プラスチックに限らず、加硫物などもあり、そのような射出成形にも金型が使用される。もちろん、金型に限らず、種々の構造物の解析が必要である。 #### 本発明 高度な専門知識を必要せず、効率よく構造解析が可能な有限要素法による構造解析方法と装置を提供することにあり、通常、構造物は基本となる構造物に対して部分的修正・変更を加えたものが多いから、予め、基本となる構造物、あるいは、最初の構造物について、専門家などが有限要素法に基づいて構造解析を行っておき、上記基本モデルを準備しておく。また、有限要素法に基づいて構造解析を行うコマンドを準備しておく。2番目以降の構造物で有限要素法による構造解析を行うべき構造物について、基本の構造物と部分的に異なる構造物について、上記基本モデルについて部分修正を行って、新たな構造物の有限要素法のためのモデルを作成する。また、この新たな有限要素法を適用する条件を設定する。その後、修正したモデル、有限要素法の動作条件およびコマンドを用いて新たな構造物について有限要素法に基づく解析処理を行う。本解析方法における解析作業のステップ数と解析にかかる作業時間の比較を下表に示す。     イメージ ID=000003 上表によると解析のステップ数が約1/8に減少し、解析時間が約1/2程度に短縮できた。解析作業のステップ数および解析作業時間は金型の種別、形状などによっても異なるが、本実施例においては、解析作業のステップ数および解析作業時間が著しく少なくなると考えられ、金型構造解析の作業性が向上する。 #### 改良案 本発明特開2002-007488は、解析対象物の基本モデルに対して、予め設定した箇所の形状を希望する形状値に変更したモデルについて構造解析を行うときに、この基本モデルについて有限要素法による構造解析を実施して得た解析データ等を利用して近似的な構造解析を行うことにより、短時間で解析結果を得ることができ、しかも解析精度が高い構造解析方法およびこの構造解析プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。本発明は次の効果を有している。 1. 解析対象物の基本モデルに対して希望する形状に変更した希望モデルの作成 と、その構造解析は有限要素法を用いないで近似的な計算式を用いて実施するために、構造解析の計算時間を1分以内と著しく短縮することができる。これにより、本発明は解析対象物のデザインの変更等に対する構造解析を素早く出力する必要がある、会議の席上、展示会、顧客への説明等の場において大きな効果を発揮することができる。 2. 基本的には有限要素法による解析データを利用しているために、本発明を用い た構造解析結果の精度も極めて高くなり、解析結果について高い信頼性を得ることができる。 ### 4 (一般→特開2001-357082) 本発明は3次元モデル解析装置に関し、特に、3次元モデルの物理的な特性を解析する3次元モデル解析装置に関するものである。 #### 従来の技術  構造力学、電場理論および流体力学に用いられる連続的物理系の研究のための近似計算法として有限要素法がある。有限要素法では、対象物である3次元モデルを複数の小部分(有限要素)に分割し、個々の要素における関数の近似を行い、目的となる代数方程式を得ている。従来においては、解析対象をマニュアル操作によって複数の要素に分割していた。その際、解析対象の形状が急激に変化する部分は、応力集中が発生しやすいので細かく分割し、一定形状が連続する部分は荒く分割することが一般的である。 #### 本発明  本発明では、3次元モデルの物理的な特性を解析する3次元モデル解析装置において、処理の対象となる3次元モデルを入力する入力手段と、前記入力手段から入力された3次元モデルのエッジを検出するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段によって検出されたエッジを平坦化する平坦化手段と、前記平坦化手段によってエッジが平坦化された3次元モデルに対して、有限要素法による解析処理を施す解析処理手段とを有するようにしたので、解析精度を向上させることが可能となっている。 ### 9 (特開昭59-83207・特開平7-134700→特開2001-134628) 本発明は、骨組構造の最適化設計を目的として有限要素法あるいは梁の理論解析式等の骨組構造応答計算法と、最適化計算手法の組合わせで構成される骨組構造設計装置に係わり、特に最適化計算手法として遺伝的探索法を応用した設計装置に関するものである。 #### 従来の技術 骨組構造は、比較的小さい機器や装置のサポートとして利用されている他、建築物あるいは火力発電用ボイラ等の高層部分、あるいは大型の構造物の自重支持用及び耐震用に使用されており、その用途は広く使用されている。このような骨組構造を適正化するための一般的な課題として、骨組構造を自動で最適化設計する装置が望まれており、これに対して各種装置が開発されている。しかし、一例を示すと、一般的な火力発電用ボイラプラントにおいて、プラントは大重量であるボイラを約3000本もの鉄骨部材で支持する骨組構造である。従来から、特にこのような大規模な骨組構造における鉄骨部材の一本一本の配置と断面寸法の最適な組合わせを計算できる最適化設計装置が望まれていたが、これまでに、この要望に応える最適化設計装置は存在しなかった。 **最適化設計とは「制約条件」を満足し、かつ「目的関数」を最小化する「設計変数」の「最適解」を求める設計のことである。** #### 対応策 上記の問題を解決するための代表的な従来技術として、特開昭59-83207号公報記載の発明がある。この技術は最適制御法に関するものであり、「感度に基づく最適化手法において、探索出発点を最適解が存在すると予測される領域内に定めることにより、制御対象に与える変動を小さく抑えるとともに、最適解を求める時間を大幅に短縮する」ことを目的とするものである。この技術の実施例として蒸気タービン発電設備の最適運用を行うための、数個の加圧弁の開度の最適化が行われている。その他に、遺伝的探索法があり、これは遺伝子情報に基づいた生物の進化過程を模擬した最適化手法である。遺伝的探索法は離散設計変数の最適化に適しているといえるが、取り扱える設計変数の数には限界がある。実際の大規模な設計問題に、ただ単純に遺伝的探索法を適用したところで、簡単に最適解が得られるわけでない。このような問題点を解決する従来技術として特開平7-134700号公報記載の発明がある。この技術はプラント最適化設計装置に関するものであり、この設計装置装置は入出力インターフェイス部と遺伝的探索法による最適化計算部及びデータファイルを介するシミュレータを備えた装置である。この技術では、遺伝的探索法を実際の問題に適用する場合に、その問題にあった操作が必要であるとしている。具体的には設計者による解釈(ヒューリスティックス)を導入し、シミュレータを使って設計問題における評価基準や設計変数の範囲等を与えて、試行錯誤により最適解を求めている。この技術は熱交換器網の設計に適用されており、運転パターンに対して取り扱う設計変数(例えば、伝熱面積や分流率など)の種類や範囲を替えて、最適化計算が行われている。ところが上記従来技術では、対象とする設計問題に関するノウハウを有している設計者が試行計算をしなければ解が得られない。ましてや、本発明の対象である約3000個の骨組部材を設計変数とする最適化問題に上記従来技術を適用した場合、ノウハウの蓄積に膨大な時間がかかることは勿論、自動設計により最適解を得ることはできない。 #### 本発明 上記従来技術における欠点を解消し、下記の課題を解決することにある。 1. 遺伝的探索法を用いた最適化設計装置において、設計変数データの数が膨大となる実設計問題において、これまで不可能であった自動計算を実施し、最適解を得ることを可能にする装置を提供する。 2. 上記(1)に記載の装置により、高精度な最適骨組構造設計を実施可能にし、骨組構造の安全性、及び信頼性を向上することを可能にする。 さらに、本発明によれば、以下の事項が実現される。 1. 自動で骨組部材の配置及び寸法の高精度な最適化設計が実施できる。 2. 上記(1)のように自動かつ高精度に骨組構造の合理化設計ができることから、従来、設計者の手間をとっていた煩雑な解析作業を大幅に削減するとともに、構造の詳細部に至るまで安全性を十分に検討できることから、ボイラ支持用骨組だけでなく、その他全ての骨組構造の信頼性を向上できる。